長岡高校応援歌物語・終章

第一章『凱旋歌』から始まった「長岡高校応援歌物語」も第十章『出塞賦』でようやく完成の運びとなった。執筆当初はもっと簡単な内容で、コンパクトにまとめる予定であったが、筆を運ぶうちに次々と発見される新事実に、気がついたらこれだけのボリュームとなってしまった。

改めて思うのであるが、長高の「校歌・応援歌」は奥が深い。そして、味がある。聞けば聞くほど、歌えば歌うほどその魅力に取り付かれてしまう。歳をとって、またあの歌を歌いたくなる気持ちは、東京同窓会に出席して一度体験してみると分かる。若いまっさらな脳味噌に叩き込まれた記憶は、何年たっても忘れない。そして、口に出して歌うと、その当時の出来事が音と一緒に記憶の底から甦ってくるのだ。

我ら長岡高校という共通の母校に学び、過ごした日々は今さらながら大切な物だったと気づかされるのであるが、いつまでこの至福の時を感じて生きていられるのか。残された貴重な日々、大切に生きていきたい。年に一度の「東京同窓会」が「応援歌」を歌う場として残されることを希望する。長高の応援歌はいつまでも歌い続けていかなければならないと改めて思ったものである。

最後に、拙い文章にお付き合いいただいた読者の皆様に感謝申し上げるとともに、素晴らしいレイアウトにまとめていただいた「50☆50の会」の林さんに感謝申し上げる次第である。

<参考文献>

・「旧制高校物語」(秦 郁彦著・文春新書)
・「プロ野球人国記(信越・北陸編)」(ベースボールマガジン社)
・「高校野球がまるごとわかる事典」(森岡 浩著・日本実業出版社)
・「日本の唱歌(第一集)」(野ばら社)
・「唱歌(明治・大正・昭和)」(野ばら社)
・「日本唱歌集」(堀内敬三、井上武士編・岩波文庫)
・「日本の唱歌(上)、(中)、(下)」(金田一春彦、安西愛子編・講談社文庫)
・「鉄道廃線跡を歩く」(宮脇 俊三著・JTBキャンブックス)
・「日本軽便鉄道」(岡本 憲之著・日本交通公社出版販売)

文: 長高 健児 (ながたか けんじ)
企画・制作: 長岡高校S50年卒「50☆50の会 印刷・HP分科会」
(2006.4.14掲載: 長高東京同窓会まであと8日)